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[交配から60日目] |
(AM3:00)6日の晩からずーとモモの側を離れることができなかった。パパが帰ってきてからモモも落ち着いてきたのでPCに向かう。モモが産箱から出てきて私の側で吐いた。ごはんは食べず水を飲んでいたので、透明の水とグリニーズが出てきた。
(AM5:00)モモ、黄色い液体を吐く
(AM7:30)体温測る37.5℃。パパは仕事に行く。お昼ぐらいから夕方にかけて生まれるだろうねと話していた。
(AM8:00)モモとリンゴに食事を与える。もちろんモモは食べない。まだ陣痛の様子がないので部屋に自由にしていた。モモの様子を見ながら私は洗濯や布団を干した。同じ部屋でインターネットで出産後に関するHPを見ていた。
(AM10:30前後)毛布の上でモモは腹這いになり、リンゴは寝ていた。出産前に軽くリンゴの散歩に行こうと思いモモを産箱に入れようとしたら、モモの陰部から黒い物が。胎子が頭から半分出てきていたのです。モモに背を向けてHPを見ていた私。呼吸の荒さもなく、力む様子もなかったのに。とにかく母犬と胎子の危険の目安となる陣痛の時間もわからない、胎子が出てきた時間もわからない。この子を助けたなくてわ。まずはリンゴをサークル内に入れた。それから病院に電話し事情を説明をする。ガーゼで羊膜に包まれた胎子を包み込みモモの弱い力みに合わせ引っ張った。強く引っ張らずにツルンと胎子と胎盤が出てきた。モモはすぐさま胎子の羊膜を舐め取り除き、胎盤を食べた。私は臍の尾の処理をし、胎子の鼻を吸いお水を取り気道を確保しタオルで背中を擦った。微かにミューミューと鳴いた。その後、モモに預けた。モモはペロペロ必死に胎子を舐めてあげていました。出てから気づいて焦りましたが無事、第一子AM10:50に出産。
病院とK氏に電話をいれ取り上げられたことを報告。K氏と話しながらリンゴをサークルからバリケンに入れて部屋から出す。私の慌てていた状況を見てリンゴもかなり興奮していた。第一子は毛布の上で出産したのでモモを産箱に移そうとしたが、モモも興奮状態。モモに頑張ったね。モモの赤ちゃんだね。と撫でながら言い、モモの子を取らないからねと言い聞かせモモと胎子を産箱に移した。次のお産が始るまでモモと赤ちゃんを一緒に産箱へ。K氏の指示のもと産湯を用意しモモの目の前で産湯で胎子を洗って体重を測る185gでした。モモに渡した。
次の準備をしていたら、また力むことなく2頭目が出てきた(AM11:45)。病院に電話する。次は逆子だった。今回はモモもさすがに力んだ。胎児は前足の付け根で引っかかり出てこない。途中産箱から胎子が出たままで産箱から出てきてサークル内を歩き出す。産箱からでてきた時は羊膜が破れていた。モモの力みに合わせて引っ張ってみたが出てこない。病院に連絡。陰部から出てきてから30分近く経っているので病院に来て下さいと言われた。タクシーに連絡しその間に胎子が引っかかった状態でモモをバリケンに入れ、第一子を毛布を敷いたカゴに入れ、戸締りと電気を全て消し、キャンキャン興奮しているリンゴをリビングに入れ玄関を出た。
目の前をタクシーが通って行った。Uターンするのかと思ったらなかなか来ない。住所を伝えたのに違う家の前で止まっていた。大声でタクシーを呼び動物病院に向かう。運悪くあまり道をしらない運転手。不安いっぱい。運転中、道を説明している間に、バリケンの中ではモモが激しく何かしている。そんな状態で何をしているのかと覗き込んだら、モモは第二子の足を噛みちぎっていた。モモにとっては死んでいる子よりも次に出てこようとしている第三子を生まなくてはと必死だった。飼主が付いていながら惨いことをさせてごめんね。パパが半休すると連絡入る。
なんとか病院に着き、すぐに対応してもらった。M'sのK氏に連絡。K氏が第一子の体温が下がらないように温めてもらうようにと教えてくれた。先生に頼む。
診断の結果、第三子の心拍数が60と正常値ではないので(正常200)、残りの胎子を守るためにも血液検査をしてから帝王切開しますと先生から話しがありました。私はただただお願いしますとお願いしますと繰り返し言っていたと思います。パパにも帝王切開のことを連絡した。パパから避妊手術も一緒にお願いしてということで先生に避妊手術もお願いした。
私は暖かくしてもらった第一子と一緒にモモの手術が終わるのを待った。手術が終わるまでにどのくらい時間がかかったか全く覚えいない。その間に今回の出産経過を冷静に振り返った。側にいながらモモの力みに全く気づかなかったこと(陣痛が小さい)。逆子の子を取り上げられなかったこと。モモに自分の赤ちゃんに対して惨いことをさせてしまったこと。モモに不安な出産をさせてしまったこと。病院やM'sのK氏に連絡を入れ指示通りにしか動けなかったこと(出産方法を本やHPから理解していたつもりだったが慌てた)。指示通り動いても取り上げられなかったこと。誰かを頼りにしない限り何もできないこと。などそんなことばかり考えていた。
手術も終わり先生から残りの子4頭(雄1頭、雌3頭)が無事生まれたと説明を受けた。家で取り上げた子を含め5頭だ。でも4頭も少し弱っていたので先生方で擦って注射を打ったことを聞いた。もう涙が溢れた。良かった。私が抱えていた第一子も他の胎子と一緒の部屋に移しますねと言ってくれた。細かい説明はパパが来てから一緒に聞くことにし、私はモモと胎子がいる部屋に案内してもらった。モモは麻酔が切れそうで切れない状態でしたが、その側で5頭の赤ちゃんがひしめき合っていました。あー良かった。
しばらくしパパが病院に着いた。先生からの説明を受けた。それから、今日は手術したばかりなのでモモが赤ちゃんの排泄をやってあげられないかもしれないのでを飼主さんがやってあげてくださいと。やり方の説明も聞いた。
箱に入った亡くなった第二子を受け取りその日の内にモモと5頭の赤ちゃんそして亡くなった赤ちゃんも一緒に帰宅できた。
リンゴは鳴かずにバリケンの中で留守番していてくれた。ありがとうね。
まずはリンゴはバリケンから出さず、先に汚れたままにしてあった産箱内と毛布やタオルなど全て片付けてから出してあげた。
モモは麻酔も切れていて、すぐにママをしていました。水ものまずトイレにも行かず、ミルクをあげ排泄の処理もしていました。術後なのに立派なお母さんです。モモはママしているし、リンゴも落ち着いてきたのでパパと2人で亡くなった子を庭に埋葬しました。箱を開けてみたらその子の後ろの両足は付け根からありませんでした。亡くなったとしても私が取り上げられればこんな姿にならないで済んだのに・・・。本当にごめんね。ただただ涙ばかり出てきた。庭ならモモとリンゴも遊ぶところだしさみしくないと思い庭に埋葬した。モモは生まれてきた子を育てるのに必死です。赤ちゃんたちもお乳を飲むのに必死。赤ちゃん達は手術の傷跡に貼ってあるバンソウコウの上もお構いなしによじ上ってミルクを飲んでいます。そんな赤ちゃん達を見ていると、そうだ、今を必死に頑張っている赤ちゃん達を亡くなった子の分まで元気に育てなくちゃいけない。と思うようにしました。
出産前、ごはんを食べなかったモモにたっぷりのお湯に缶詰とミルクとはちみつを入れたスープ状のものを与えた。産箱の前に置いてみたが赤ちゃんが心配で出てくる気配なし。ミルクを飲んでいる赤ちゃんをほってごはんは食べられないようだ。私が器を持ってモモの顔まで持っていったらペロペロと物凄い勢いで食べた。モモが一生懸命食べないとミルクでないよ。
今日は短い人生の中で一番慌てふためいたと思う。
私1人しかいないし、守れるのは私しかいない。
理解していたと思っていた出産方法もいざとなると思うように動けない。
こんな状況の中でモモは一生懸命赤ちゃんを生んだ。
亡くなった逆子を必死に出そうとしたモモ。
だれも教えていないのに本能というものはスゴイものだ。
モモががんばったから、5頭の赤ちゃんは助かった。
M'sのK氏の指示と病院の先生の指示で、5頭の赤ちゃんが生まれた。
私は頼りない産婆さんだった。
モモに命の尊さと大切さを改めて考えさせられました。
亡くなった子には、5頭の赤ちゃんを見守っていてもらいたい。
M'sのK氏と病院の先生方とタクシーの運転手さんは命の恩人です。
本当にありがとうございました。
赤ちゃんの性別と毛色と体重。
帝王切開で出産したので、病院で生まれた子は体重の重さで順番をつけました。
第1子(♀、ブラタン、185g)
第3子(♀、ピュアクリーム、198g)
第4子(♀、ピュアクリーム、172g)
第5子(♂、ブラタン、173g)
第6子(♀シェイデットレッド、165g) |
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